フォーセリアとその歴史

 ソードワールドRPGの“世界”は、フォーセリア と呼ばれています。フォーセリア世界は、我々の星のように球ではなく、平面で、巨大な正方形をしていると考えられています。

 このフォーセリア世界は、永劫のときを生きた始原の巨人 の死によって、始まりました。そしてその骸からは、あらゆるものが生まれたのです。
 
 まず最初に生まれたのが神々 でした。巨人の肉体からは幾百もの神々が生まれたのですが、特に重要なのが、六大神 と呼ばれる六柱の神たちです。
 巨人の頭からは知識の神ラーダ が、巨人の胴体からは大地母神マーファ が、聖なる巨人の左手からは至高神ファリス が、邪悪なる巨人の右手からは暗黒神ファラリス が、猛き巨人の右足からは戦神マイリー が、素早き巨人の左足からは富と幸運の神チャ・ザ が誕生したとされます。

 彼ら神々は、フォーセリア創造に取り組みました。まず、世界の混沌に法を与え、いくつもの力に分割しました。炎、水、大地、風などの精霊力が分化されたのです。その結果生まれたのが、精霊界 でした。精霊界は世界の力の源として位置付けられ、無限の精霊たちが住まうことになりました。

 次に、神々が自ら住まう聖地として物質界 が作られました。今日では人間界と呼ばれることもあります。神々はさまざまな生き物を作り、ここに住まわせました。中でも、人間は、神々の姿を模して作られたとされています。

 最後に、物質界と精霊界を結ぶための中間地点として、妖精界 が作られました。ここの住人として作られたのが、妖精たちです。彼らは精霊界の力を正しくくみ出し、物質界に送り出すことを使命とされました。

 神々は世界を創造していたのですが、完成はできませんでした。完成する直前に、神々の中で不和が起こり、戦が始まったからです。不和の理由は、目指した世界の相違からだとされています。至高神ファリスは光の法により統制された秩序ある世界を求めたの対し、暗黒神ファラリスは、完全なる自由を求めたのです。

 小さな諍いは、やがて大きな戦争となりました。神々と、その創造物たちは、光と闇の陣営に分かれ、激しく争ったのです。
 その結果、神々は肉体を失い、竜や巨人などの古代種族は滅び、人間や妖精などの生き物も、そのほとんどが死に絶えました。

 その後、世界は再び混沌と化しました。生き残った生き物たちは、力を合わせ、時には奪い合い、なんとか生き延びたのです。その暗黒時代は、数百年続いたとも、数千年続いたとも言われています。
 その時代では、人間は物質界の主人という位置付けではあったものの、実際は一番ぜい弱で、力のない存在でした。

 しかし、人間には、神と同じ姿をしていることから、与えられた力があったのです。その力とは、魔法 です。
 初期の人間たちは、その力を理解していませんでした。しかし、その力の真理を解き明かした人間が、ごく少数ですが存在しました。彼らはやがて、自在に魔法を紡ぎだす術をあみだしたのです。

 彼らはその力を発展させ、はじめて人間たちの王国を作り上げました。その名を、カストゥール王国 といいます。
 カストゥールの人々は、自らの魔法文明を発達させながら、アレクラスト大陸の東から、徐々に領土を広げていきました。また、人間以外の生き物たちも、それぞれに王国を作っていました。巨人、妖魔、妖精たち。ドワーフやグラスランナーなどのように、人間と交流するものたちも多くいましたが、ゴブリンやダークエルフたちのように、人間と敵対する種族も少なからず存在しました。

 王国末期、カストゥール王国に魔力の塔 が建設されました。この塔は、フォーセリア世界に満ちる魔力を集め、蓄える大きな魔法装置でした。魔術師たちはこの塔から、身体に埋め込んだ水晶を通じて、無限の魔力を供給されることとなったのです。
 その結果、肉体の限界を超えた、強大な魔術を操ることが可能となりました。彼らはその圧倒的な魔力をもって、大陸の妖魔や妖精たちを支配し、巨人や竜などの偉大な古代種族すらも下僕にしたのです。
 しかし、その強大すぎる魔力が、やがて王国を滅亡へと導きました。

 あるとき、ある一匹の魔物が現れました。その名はアトン。複合した精霊力を持った混沌の怪物です。この魔物は周囲の精霊力を喰らい、どんどん成長していき、やがて世界そのものを呑み込もうとしたのです。アトンには、カストゥールの偉大な魔術師たちでさえ、太刀打ちできませんでした。
 
 魔術師たちは、アトンを倒す研究を重ねました。そして、ついに一振りの魔剣を作り出したのでしたのです。当時の魔法王ファーラムの肉体を材料としたその剣は、ファーラムの剣 と名づけられ、当時の最高の剣士に託されました。

 はたして、その剣の効果はありました。アトンの肉体は、再生不可能なまでに破壊されたのです。しかし、その剣が必要とした魔力は、あまりにも膨大なものでした。無限に魔力を供給するとされていた魔力の塔でさえ、それを支えることは不可能だったのです。その結果、魔力の塔は暴走、大爆発を起こし、崩壊したのです。

 魔力の塔を失ったカストゥール王国の力は、急激に衰えました。これを機に、カストゥールの人々に蛮族だと卑しめられ、奴隷として扱われていた人々が立ち上がりました。彼らは、暗黒時代から、魔法の力に頼らず、剣の力 によって生き延びようとしていた人間たちです。
 彼らは、剣をもて、旧支配者たちを皆殺しにsました。戦乱は数年で終わり、カストゥール王国は完全に滅亡、魔法の時代は終焉を遂げました。カストゥール最後の都市が破壊された年をもって、新王国歴元年 とされました。

 あなたの生きている時代は、この剣の時代 です。
 新王国歴にして、520年前後 のことです。
 


アレクラスト大陸最大の都市、オラン
 
アレクラスト大陸
 今回あなたが冒険する、このフォーセリア、『クリスタニア』や『ロードス島戦記』と同じ世界なのです。『クリスタニア』の舞台となったクリスタニア大陸 のはるか北に、『ロードス島戦記』の舞台、呪われた島 があります。
 今回の舞台となるアレクラスト大陸 は、その呪われた島よりも北にあります。

 アレクラスト大陸には、およそ1000万近い住人が暮らしています。この住人たちの中には、街や村に住む人間だけでなく、荒野に暮らす蛮族や人間以外の種族(亜人)も含まれます。

 人間の街だけに限っても、大陸には大小さまざまな国が存在します。
 一介の冒険者が王になった、剣と英雄の国オーファン。
 古代王国期直後から建国し、魔法の研究が盛んなラムリアース。
 至高神の最高司祭が国を治める、聖なる国アノス。
 遊牧民やケンタウロス、グラスランナーが数多く住む草原の国ミラルゴ。
 大陸を支配しようとする女王の国ロドーリル。・・・などなど。


“賢者と冒険者の国”オラン
 今回、冒険の舞台となる国は、オラン といいます。
 建国から200年以上経つその国は、大陸最大の勢力を誇っています。この国の北部には、古代王国期に栄えた“空中都市“レックス が墜落した大きな遺跡群が広がっています。
 この大遺跡の調査を行うために、オランで最初に魔術師ギルド が興り、各地に広がったといいます。
 また、遺跡を発掘し、一攫千金を狙う冒険者たちも数多くいます。
 以上のことから、オランは、“賢者と冒険者の国”と呼ばれています。

 この国には、“大賢者にして至高の魔術師”と呼ばれるマナ・ライ がいます。彼は、古代王国期に10の系統に分かれていた魔法の体系をまとめあげ、万物の根源“マナ”という、古代語魔法の原理を見つけ出し、また共通語で魔法が使える“共通語魔法”も開発しました。
 魔術師ギルドを開設したのもマナ・ライです。魔術師ギルドでは、魔術や学問の研究、管理、適正のある者の育成などを行っています。

 国王カイアルタードZ世も、この賢者の国にふさわしく、自らもマナ・ライに師事する研究者です。帆船の改良や、より効率的な農業器具の開発などの研究を奨励しています。


大都市オラン
 オランの王都は、国名と同じオランといいます。人口10万人、アレクラスト最大の都市です。
 上下水道完備、道路はすべて石畳で舗装されていて清潔です。街中にはハザード川が流れ、帆船が多く行き交い、商業流通の要となっています。
 中央には王城エイトサークル城 があり、まわりには六大神の神殿、そして大陸の魔術師ギルドを統轄する賢者の学院 があります。
 しかし大都市には裏路地がつきもの。街の外れには、常闇通り という名のスラム街があり、そこには盗賊ギルド が裏の世界を仕切っています。
 そしてやはり街の外れに、冒険者たちが集う冒険者の店 が、いくつか存在します。


冒険者の店
 ここは、冒険者たちに仕事の斡旋をする場所です。宿屋や酒場であり、また簡単な冒険のための道具を売ってくれるよろず屋でもあります。
 冒険者たちに仕事を頼みたい人が、この店の主人に相談すると、主人は若干の斡旋量を受け取り、信頼できる冒険者に仕事を紹介します。
 たいがい、冒険者たちはこの店を溜まり場にします。



この街で・・・

 あなたは、オランの街並みの中に、立っています。
 
 あなたは、オランで生まれ育った住人です。この学術都市で、学問をして育ったのかもしれませんし、商業地区で商売をしていたのかもしれません。神殿で神に仕えていたのかもしれませんし、スラム街で親もなく育ったのかもしれません。また、貴族の御曹司なのかもしれません。
 
 もしくは、オランに流れ着いた旅人かもしれません。近郊の村で狩りをして暮らしていた? 旅芸人の一座に生まれた? または、未開の地で暮らす蛮族と呼ばれる人々だった?

 それとも、妖精族で、故郷の集落を出てきたのでしょうか? オランの都市に来て、目を丸くしているのかもしれませんね。来たばかりでもいいし、しばらく住んでいたことにしてもいいですね。

 とにかく、あなたはオランにいます。
 そして、冒険者になろうと思っています。ちょっぴりだけど、腕に覚えもあります。
 あなたは、冒険者の店にやってきました。そして、何人かの気の合う仲間と巡り合いました。(もしくは、前から知り合いです。)

 さあ、あなたのフォーセリアでの名前は決まりましたか?
 巡り合った仲間たちと、冒険に出発してください。このオランが、あなたの冒険のスタート地点です。

ここでは、冒険が行われる舞台について、ご紹介します。
(地図については、こちらのサイト様を参照させてもらってください)

フォーセリアとその歴史  アレクラスト大陸最大の都市、オラン
















































































































































































































参考資料:
ソードワールドRPGワールドガイド/水野良&グループSNE(富士見書房)



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